私の二人の音楽仲間から素晴らしいコメントを頂きました。皆さんと喜びを共有したく、感謝をもって転記させていただきます。

1.素敵な演奏会、素晴らしい演奏にしびれました。

合唱団大阪コンソートさんの創立25周年、おめでとうございました。そして先日盛況に終えられた創立25周年記念演奏会。富岡音楽の神髄をしっかりと聴かせていただき、その素晴らしさに大感動・感激して帰路につきました。そして1週間過ぎた今でもまだ、アクア文化ホールに鳴り響いたチルコットさん作曲の「レクイエム」の歌声が、さらに富岡先生編曲の「小さな幸せ」の歌声が耳に残り、私の住むマンションの窓から見える、朝は東の三上山(近江富士)、夕方は西の比叡山に向って大阪コンソートさんの歌声と共に「平和」を祈っています。

今回の25周年記念演奏会。まずは、「小さな幸せ」の曲で始まり、終わりも「小さな幸せ」を、しかも会場の皆さんと共に歌いながら終演された演出。言葉(歌詞)と音楽をあのホールに居合わせた全員で共有してひとつの祈りが出来たこと、感動しました。

次に、大阪コンソートさんの音楽力・合唱力は、前回・2019年9月開催の演奏会時に比べて団員数が70数名から50数名に約20名も少なくなったにもかかわらずとても充実した豊かな響きになり、かつ伸びがあって積極的に富岡音楽を歌い実現しようとされている各パートの声とアンサンブルが暖かく息づき、合唱団として大きく成長され実力が数段増されたなあと感じました。ソプラノは従前より輝きが有りのびやかでしたが今回はその上に説得性が増しました。特筆は、アルト声部。歌う積極性、メッセージ性が格段増したソプラノを支える混声合唱のアルトになってきました。そして男声陣。混声アンサンブルにしっかり溶け込んで役割を果たし、とても心地良い充実していてアンサンブルに安心感と信頼をもたらしていました。

そして第三ステージのチルコット作曲レクイエムは、前回秀逸だったグノーのチェチリアミサを遙かに超えて、暖かく心に深く浸透し慈愛溢れる「富岡先生特有の祈りの音楽」を具現しておられ、ブラボーでした。それだけに、少し残念だったのは、その響きと音楽はアクア文化ホールの空間では狭すぎて飽和状態になることが度々で、ああ、ここがヨーロッパの天井の高い教会の中か、せめていずみホール位、出来ればシンフォニーホールかびわ湖ホーの大ホールだったら、と惜しみながら聴いておりました。

とてもよく歌い込まれていて、客席に積極的に語りかけ、ホール内の人々を包み込み、共に歌い祈っているかのように音楽の中に誘ってくれました。チルコットさんが作曲された曲の素晴らしさに、富岡音楽の特徴である暖かい息づきと優しさ、慈愛に溢れる祈りの音楽が融合して、素晴らしい世界を実現されていました。出来れば、大きな客席空間をもった音楽ホールでの演奏会で、是非再演をしていただきたいです。

大阪コンソートさんの、そして富岡先生のますますのご活躍をお祈り致します。素敵な演奏会、素晴らしい演奏、ありがとうございました。(相田)

2.合唱団大阪コンソート創立 25 周年記念演奏会に寄せて。

富岡先生が長きにわたりお力を注がれている一万人の第九の富岡グループの大ファンたちが中心となって、オケとの共演のできる合唱団を目指して、富岡先生自らが旗揚げされた合唱団大阪コンソート。初演の初々しい、でもまだまだ歩みを始めて、これからどう成長されていくのか、富岡先生がどんな合唱団に作り上げていかれるのか、見守っていきたいと願った第 1 回目の演奏会、それから合唱団として 25 年の時を経て、こんなにも成長されて、今回の創立 25 周年記念演奏会は、正に富岡先生の目指される愛と祈りの音楽が全てに凝縮された素晴らしい演奏会でした。

大阪コンソートのテーマ曲と言える「小さな幸せ」から演奏会がスタートし、この曲は富岡先生が NHK 無縁社会の番組で耳にされた歌声に心を打たれ、編曲して、世の中に発信し続けておられる大事な大事な楽曲で、コンソートの音楽の神髄ともいえる温かさと豊かさが満ちた曲で、初めて耳にされる観客もあったでしょうが、すっと誰もの心にしみわたりました。
ここで、まずは富岡先生からご挨拶があり、コロナ禍を乗り越えて、こうして待望の演奏会を開催することになった喜びと、なんと Bob Chilcott 先生からDear Ken と親しみを込めたメールが届き、今日の演奏会、地球の反対側から僕の心は皆さんと共にあり、応援しているという言葉が送られてきたことを、会場の皆さんにも伝えられて、胸わくわくして、演奏が始まりました。

1 部はコロナ禍で苦悩された時期、リモート練習を続けて、大事に歌い繋いでこられた作品たち、コンコーネの主題による 7 つの祈りの歌は、コロナが蔓延してあの閉塞された辛い時期に、合唱人が何か一歩を踏み出せるようにとの思いで、本当は一番お辛く落ち込んでおられた先生が、よくぞこのような試みをしてくださったと、初めて楽譜を見た時の衝撃と感謝の思いを今も忘れることはありませんが、コンソートの皆さんもこの曲たちで、心と声を繋いでこられたのだと、思いを深くし、3 曲、どれもが美しい祈りの歌となって、思いを込めて歌い上げられて、聴き入りました。

そして、千原作品の寂庵の祈りも、この第 1 部の終曲にふさわしく、この辛い時期を共に乗り越えようと、幸福で平和でありますようにと、みなで願って乗り越えてきたんだという思いが溢れていました。

1 部が心和やかに温かな雰囲気に包まれて終わり、退場された後、General Manager の岡さんからのご挨拶。コロナ禍をどのようにみなで乗り越えたのか、そして、これから始まる 2 部の紹介(ご苦労?!ネタばらし)もされて、待ち望んだ演奏会を開催できた感動とお礼を、落ち着いた物腰で、お話になりました。

第 2 部は、コーラスファンタジー「レ・ミゼラブル」誰もが知るこのミュージカル、いろんな登場人物の苦悩や愛が絡み合い、展開していくストーリーを、富岡先生がどんな脚本作りをされ、セレクトされた 4 曲をどのように繋げて、コーラスファンタジーの世界を創られるのか、興味津々でした。ナレーションの佐伯徹さんの落ち着いた、深い声で、物語は始まり、ジャンバルジャンの心の拠り所となる燭台の炎が灯され、また照明演出も加わって、会場がガラッと劇場空間に変わり、お~富岡マジックが始まると誘われていきました。
皆さんの衣装も、女性たちは 1 部の白上下の衣装と、ブルーと黒の衣装の 2 種類に、赤のバラが胸元に飾られ、男性は、白のシャツに、フランス国旗の赤と白と青の 3 色のストールを付けられて、素敵な演出転換となりました。佐伯さんの語りが、これから演奏されるそれぞれのシーンの景色を浮かび上がらせて、まず 1 曲目は、悲運の人生を背負って、一人娘のコゼットを抱えながら悲痛な思いを吐露するフォンティーヌの「夢やぶれて」、そして 2 曲目は愛するマリウスのために自分の心を抑えて、やりきれない切ない思いを歌うエポニーヌの「ひとりぼっち」背景照明が木々に変わり、雨の中を彷徨いながら、切々と思いを語るシーンの演出も美しく劇場空間に引き込まれていきました。3 曲目は、ジャンバルジャンの名曲「彼を帰して」舞台構成が変わって、男声が前方に一列に並ばれて、女声が後方から。ジャンバルジャンは自分の人生を懺悔しながら、愛するコゼットの幸せを願い、男性の声がひとつになって、神に乞い願う思いを歌い上げ、後方からは、女性の歌声が天上のフォンティーヌやエポニーヌの想いを添えて。そして、いよいよ最後のフィナーレは、ジャンバルジャンの最期のシーン。コゼットとマリウスがジャンバルジャンの遺書を手に取りながら、深い愛と感謝の想いを込めて祈るシーンが、何組かのペアの配置で、表現されて、ジャンバルジャンの命の象徴であった燭台の灯が消えて、教会の外からは、群衆たちの自由と平和を掲げる歌声が高らかに流れてくる。ラストは皆さんが手を大きく揚げて、5 曲に凝縮されたコーラスファンタジー「レ・ミゼラブル」を演じきって、終わり、会場からも大きな拍手が…長編のミュージカル曲を、厳選した曲でつないで、合唱と語りと照明で、劇場の雰囲気に作り変えていかれる富岡先生の脚本作りは、いつも驚きと新鮮さと革命を感じて、心高鳴らせてもらいますが、今回のコーラスファンタジーも、期待通りで、私など、同じステージで共に歌っているような思いでずっと空間に浸らせてもらいました。またいつかこんな体験を共にさせてほしいと願わずにはいられないほど、心が躍りました。

そしていよいよ第 3 部、今回の演奏会の大きなテーマである、愛と平和の想いを託して Bob Chilcott の Requiem 全曲の演奏です。管打楽器アンサンブルに、デジタルパイプオルガンが加わって、1 曲目の Introit and Kyrie から、ホルン、オルガンの深い音色や、フルート、オーボエ、クラリネットの軽やかで、時にドラマティックな音色、そしてティンパニーの地面の底から響いてくるようなパワフルな音色が、富岡先生の全ての音色を溶け込ませる見事な指揮で、楽器も歌声もが一体になって、ホール全体が大聖堂にいるかのような豊かな音楽空間となり、その中でプロのソリストお二人の二重唱にも導かれ、美しくも静寂な Requiem の世界が展開していきました。
清らかな天上から響いてくるのような 2 曲目の Offertorio の男声ソロや、3 曲目の心に染み入る Pie Jesu の女声ソロも、祈りの想いが満ちていて、目がしらが厚くなりました。Agnus Dei の平和の讃歌は、つややかな男声ソロに、楽器も合唱もぴったり寄り添って、見事に交唱が出来上がり、一体感のある温かな思いまでもが伝わってきました。

世界で大人気の現代作曲家 Bob Chilcott の感性溢れる、豊かで、温かで、ドラマティックな死者への祈り、この全曲を富岡先生の想いの溢れる、流れるような指揮に、懸命に応えて、歌声も清らかながらも、音圧があり、しっかりホール全体を満たし、40 分もの大曲なのに、次から次へと祈りの曲の展開にひきつけられて、感動で胸がいっぱいになりました。この富岡先生と皆さんが作り上げられた素晴らしい演奏、是非とも BobChilcott 先生に聴いていただきたいと切に思います。収録音源が出来上がるのが楽しみです。

鳴りやまぬ感動の拍手の後は、管打楽器アンサンブル用に富岡先生が編曲された「主の祈り」がアンコールに歌われ、今皆さんの歌声で、この地と天が繋がっていると感じながら、心の中で共に感謝のうちに、皆さんの歌声と共に祈りました。そして最後の最後には、会場の皆さんと、「小さな幸せ」を歌えた幸せ。素晴らしい終演のプレゼントでした。会場が一体となって、今日のこの大きな幸せを共有させてもらいました。

富岡先生が、胸に手を合わせて、言葉と詰まらせながら「大きな幸せです」とつぶやかれた姿が、ずっと心に残りました。25 年の歴史を刻まれて、発足当初からの情熱あるチャーターメンバーの皆さんのお顔も、中堅どころとなられ、合唱団を支えられている皆さんのお顔も、新しくメンバーになられたお顔も、ひとつの家族のようになって、合唱団大阪コンソートが、富岡健先生の豊かな音楽に身をゆだねて、音楽を楽しまれて、これからも温かな合唱音楽をずっとずっと伝えていってほしいと心から願い、深い感動と感謝のうちに、会場の外に出ました。ロビーでお見かけしたコンソートの皆さんどのお顔もきらきら輝いて、やり遂げた思いで満ちておられました。富岡先生と共に、合唱団大阪コンソートの益々のご発展を心から祈っております。     (フラワー・コーラス 植松)