【指揮者が講演会を企画しました、音楽の力と喜びを共有するために。】

私はこの講演会の呼びかけの文書にこう綴りました。なぜ指揮者が・・・というお声が聞こえてきます。私は多くの音楽の仲間に恵まれています。でも神さまが私たちにお与えくださった「歌」「声」を自らの享楽のためだけではなく、もっと大きな働きのために用いてほしい・・・、その思いを私は仲間に伝えきれいもどかしさを常に心の中に覚えていました。 偶然耳にした昨年11月の日曜日の早朝のNHK・Eテレのこころの時代~「祈りの竪琴」。視聴するにつれて、「これだ、みんなと分かち合いたいことは!!」。 私は、後先のことも考えずに、私の周囲の音楽仲間、そして信仰を同じくする人たちにお集まりいただき、キャロル・サックさんから「歌の力」「魂に触れる音楽」をお聴きし、しばし「音楽って何?」と見直す機会を得たいとの一心で、キャロルさんにご無理をお願い申し上げました。そして夢がかなって、私たちのためにと東京からお越しいただけることになりました。

キャロルさんの講演は衝撃でした。言葉を越えた「聖霊」がそこに満ちていたからです。この言葉で説明できない確かな聖霊は、皆さんのこれからの音楽活動に大きな導きとなりました。私自身の心にも大きな変化と気づきを頂きました。

なぜ指揮者の私がなぜこの講演会を企画したか、参加者からのメッセージからお分かり頂けると、その皆さんから頂いたメッセージと画像のページを作りました。ご出席くださった皆様には記憶を蘇らすために、そしてご出席いただけなかった方へのご報告になれば幸いです。

NPO法人音楽の恵みネットワーク 富岡健

 
戦後の何も無い時から、近くにあったキリスト教会の日曜学校に通ってました。毎回新しい歌(賛美歌)を歌ってから終わりました。成人してレコードコンサートに行くと時々、知っているメロディーが挟まっているのです。それは小学生の時、教会で歌った曲だと思い出しました。合唱が好きになった原点です。 キャロル・サックさんのProgramとその講演は夢想の中で色々のことを深く深く思考しました。イエスも仏陀も人間の長い生存の中に生き続けるその根源を見出した思いがした時間でした。心の奥に静かに置いておき目覚める現象に出合った時に、このことが心の支えになればと思っています。硬い言葉では有りますが生きる哲学を学びました。 キャロルさんと富岡先生の活動の小さな実の枝葉が広がってゆかれることを祈念いたしております。 新しい世界に参加できたことに感謝を持って。 富岡健さんの信条と同じ気持ちであるならば、ご指導頂いていた滋賀男声での合唱音楽は、私の合唱活動の集大成といえる満足度の高いものであり、私の音楽観に区切りをつけるほどの内容でした。(言葉を変えれば30年前に先生とお出会いしたかったです)。これからは音楽鑑賞などを主にゆっくりと歩んでゆきます。有難うございました。 (長谷川久雄さん)
富岡先生 昨日は本当に素晴らしい講演・コンサートでした。企画・運営のご尽力に厚くお礼申し上げます。 キリエ、アニュスデイについて、よく理解できました。そして、実例が素晴らしかったです。富岡先生が朗読なさった「俺も捨てたもんじゃない」素敵でした。 演奏は、ただただ、感動。キリエの演奏では、妻とともに涙を流して聞かせていただきました。天上の音楽という表現がぴったりです。 聞き手が指揮者、聞き手を観察し、呼吸に合わせて演奏する徹底的な寄り添い方は、「聞かせる」スタイルの演奏と真逆ですが、圧倒的な音楽の力で空間を包んでいました。 気づけば、夫婦ともに癒やされていました。 最上の音楽に触れ、圧倒的な音楽の力に浸りながら、さて、これからどうやって歌えばいいのかと、戸惑いを深く感じてもいます。 富岡先生に、キャロルさんの本当に稀有な講演・演奏を聴く機会を頂きましたこと、妻ともども厚くお礼申し上げます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。そしてこの講習会のシリーズ化を強く強く願います。(桐畑慎司 さん)
  
キャロル先生の講演会、想像していたよりも、もっともっと素晴らしく私自身にとって価値のあるものでした。こんな企画を発案から実行まで成して下さった富岡先生を本当にすごい!と思います。 キャロル先生のお話の間、一言一句も聞き逃したくない、そう思って頭も心も全て傾けて…静まって祈るひと時も愛おしくて…。 そして嬉しいのはいつも私の傍らで導いていてくださるリーダーであり、パートナーである富岡先生と同じ音楽の価値観を持って音楽創りが出来るということ、一番大切な事が何なのか、という基盤が一致し合えてるなんて、本当に幸せな事に感じています。 いつか私も、キャロル先生や富岡先生が仰るような、人の魂に寄り添う呼吸、なぐさめの歌があふれ出るような歌い手になれたらなぁと、まだまだですが希望を抱いています。 同じ合唱の仲間たち、富岡ファミリー団共々に、また再々放送も観て、皆同じ意識を共有し合って歌声と心を寄り近づけ合っていけたら、こんなに素敵な合唱団はないと思います。 これからも、ご指導よろしくお願いいたします。(吉岡仁美さん)
 
素晴らしい癒しの竪琴の音色とキャロルさんの天使の声との和音に音楽の恵の大きさを実感した一日でした。ありがとうございました。 先生が新しい音楽の恵を沢山創造下さり多くの方々へその恵みが届き、世界が少しでも平和になっていきます様、益々のご尽力をお願いいたします。また参加させて頂きます。(石井正光さん)
 

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キャロルサックさんの演奏も素晴らしかったけれど、臨終の人の側で、その方の息に合わせて 弾くとの思いやりの深さに感動しました。お誘いに感謝します。 (山下國明さん)
Sack牧師へ ハープと歌を使ったターミナルケアを通して得たキャロルさんの貴重な経験を共有するために大阪に来てくださったことを心から感謝します。私が初めてlyra precariaについて知ったのは初めてのことでした。自分の死に直面したときに絶望、痛み、恐れの中で誰かを癒すことができる究極の音楽の力を強く感じました。 合唱団員として、私は歌と呼吸の関係にもとても興味を持っています。この講演会から、私は患者のそばに寄り添うためには、潮の上昇と下降のように、彼らの呼吸を見てみることが重要と学びました。合唱団で歌うことについても同じことが言えます。私たちの指揮者である富岡氏は、いつもレッスン中に私たちに伝えようとしています。 「私は十分にやり遂げているか?」といつも自分自身に問います。これは私にとって最も挑戦的な目標です。 講演中、「一期一会」というその言葉をもう一度深く考えさせていただきました。 キャロルさんのお言葉は静かに私の心の底に刻まれました。あなたのお言葉、音楽、さらには手の質感さえも私の中にとどまり、永遠に続くでしょう。 この貴重な機会をありがとうございました。できるだけ長くlyra precariaを続けてください。そのためにも健康に気をつけてください。 あなたの活動は世界を明るくし、あらゆる種類の宗教の違いを超えて、たくさんの悩みある方に大きな希望を与えます。 心から感謝を込めて。(MMさん)
 
「祈りの竪琴」 そのビデオを見終わった後、爽やかな風がわたしの心の中を吹き抜けました。それは、アメリカ人宣教師キャロル・サック女史が日本で行っている、ホスピスや病院、老人ホームなどで死に直面している人たちに、ハープと歌で祈りを届ける「祈りの竪琴」の活動を紹介するものでした。 感銘を受けたのは、患者さんと1対1で接し、共感と敬意をもって共にいて、音楽を奏でることで一人ひとりに「あなたはそのままでかけがえのない大切な存在です」というその人への神の愛を届けていることです。 自分が何かをしてあげるのではなく、神と本人との関係に任せているのです。 このキャロルさんの活動は、「何千万人もの人々が苦しんでいるインドで、わずかな人たちだけを救っても意味がないのでは」という批判に対して、「私たちのすることは、大海のたった一滴の水にすぎないのかもしれませんが、その一滴の水が集まって、大海となるのです。」というマザー・テレサの言葉を彷彿とさせます。 人間的な目で見れば、何も出来ない、死を待つだけの人の癒しにどんな意味があるのかとの疑問に、神の想いは真逆であることをキャロルさんは示しています。最も低くされている人、弱い人、困窮している人の中に、まさにイエス・キリストの姿があります。(マタイ福音25章35~36節参照)イエスは、その人たちの痛みを、ご自分の内臓がちぎれるほどの共感をもって慰められます。この共感をキャロルさんの活動に見出すことが出来ます。 音楽も祈りも人の心を癒す力を持っています。希望を与えてくれます。この二つの力が相乗効果を生み出すキャロルさんの働きを、目で見て、耳と心で聴き味わうひとときを共に体験しませんか。(超教派クリスチャン連盟を代表して、講演に向けての文書でした。)
・・・そして講習会。TVでも感動しましたが、ライブは一層魂が揺さぶられました。 特に、「キリエ・エレイソン」ー主よ、憐れんでくださいーは、神様に”助けて”と叫ぶことが最も重要な祈り、「アニュス・デイ」ー神の子羊、世の罪を除きたもう主よーは、神ご自身がこの私のためにスケープゴートになってくださった、それほど神にとって私はかけがえのない存在であることに気づかせていただきました。 最後に紹介された内田さんの「俺も捨てたもんじゃない」という言葉は、人の尊厳が軽い今の世の中にあってまさしく福音のメッセージではないでしょうか。 神が、超教派クリスチャン連盟、それまでになかった”音楽”を通してイエス・キリストの福音を伝えるという新しい活動が開かれました。(松本秀樹さん)
素晴らしい講演会をありがとうございました。翌金曜もお会いしているのにきちんと思いをお伝えせずに失礼してしまいました。話をするのが得意ではなく、言葉にしてしまうと表現を間違えて何か違うものになてしまうような気がしてしまいまして…。 キャロルさんの演奏はすーっと心に入って来てどんどん心が無になり、唯々魅き込まれました。今までにないとても不思議な体験でした。 演奏で沢山の方の心を救われてるその日々の活動に驚きました。キャロルさんの大きなお心と素晴らしい人格と、誰にでも出来る事ではないそのお話に感動しました。 富岡先生がいつも音を大事にしなさい。音楽には自然な間合いがある、無理に何かしようとしてはいけないと教えて下さっている事が、こういう事だったのでは…と感じました。 毎日毎日人前でピアノを弾く事に恵まれているのに、仕事が増えれば増えるほど毎日ピアノを弾く事が苦しくなってきて、演奏をする時は自分の事ばっかりになってしまって、大事な事をすぐに見失ってしまいます。 明日からまた1つ1つの機会にきちんと向き合って、大事にしていきたいと思いました。 いつも大事な事をたくさん教えて下さり、感謝しています。これからもどうぞ厳しくご指導ください。「音楽の恵み」の益々の発展を心よりお祈り申し上げます。 (草野和美さん)
    キャロル・サックさんから皆さんへのメッセージです。

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親愛なる富岡先生、そしてすべての参加者の皆様へ
 なんと言えばいいのでしょう? 先週木曜日を思い起こすと大きな誇りと信じられない驚きが混じり合っています。正直に言って何と言うべきか途方にくれます。 富岡先生、そしてすべての参加者に神の聖霊が生きづいているところを直接見たことに、私は感動と期待を覚えます。
 皆さんは言葉ではなく音楽を通して、理解しているか否かにかかわらず、熱心に祈ってくださったと感じます。 “小さな幸せ”という歌がソリストと出席者で歌われた時、私は甘美な聖霊と希望でいっぱいになり、それは音楽的な癒しの瞬間でした。 私は富岡先生がたくさんの人々と、たくさんの時間を、リハーサルとコンサートに費やされ、その先には世界を癒していらっしゃるのだと想像できます。 聖なる音楽を歌うとき、素晴らしく且つミステリアスな方法で私たちの中に聖なるものを実際に宿らせているのです。
 先生と私の「神に仕える者」としての働きは原則的に同じです。それは神の歌という手段を通じて、世界に神の恵みに触れてもらうためなのです。 私は私たち、(そして聖なる音楽を分かち合うすべての人々)がダビデの子孫だと想像 することが好きです。 あの時,神が私たちの「神に仕えるのもの」を繋ぎ合わされたという事実は、私の理解を超える驚きです。
 NHKの番組が放送されることになったとき、ディレクターでありインタビュアーである浅井さんに 言ったことを思い出します。「番組を見るであろう一人の人が、おそらく知らないうちに導かれるよう 祈ります。」富岡先生のメールは番組放映後、私が受け取った最初の反応でした。それで私は浅井さんに言いました。「たぶん、このお方がその一人ですね?」
 そのとき私は聖霊の偉大なプラン、二人を出会わせる、をまったく想像していませんでした。 私は今もまだすべてに畏れを感じています。 神のメロディを分かち合う貴重な時間を作り上げた様々なことに対して、忠実に注意をはらってくださった先生、アシスタントの早野さん、合唱団大阪コンソートの辻井さん、他の多くの方々に感謝しきれません。 私のような者にとってそれがどのような名誉であったかを貴方が感じてくださるよう望んでいます。 皆様のお陰で有意義な時間をもつことができました。 皆さんに私の心からの感謝を伝えていただけるとありがたく存じます。 はい、アシスタント早野さんについて貴方と同じ意見です。 準備と本番のすべてに対する彼女の疲れを知らない献身なくしては、あの夕べは起こりえなかったでしょう。 彼女が私にとって、どんな恵みであるか、ご想像いただけると思います。
  私はご献金、そしてG20さなかの便利なホテル設備にもとても感謝しています。このご献金をハープによる伝道のために使いたいと思います。 まだまだ申し上げたいことはありますが、ここまでとします。富岡先生、感謝します。そして貴方の音楽家としての「神さまに使える方」として、絶え間ない恵みのあるように、と祈りをお送りします。 神への感謝と共に。
(キャロル・サック)(和訳 田岡玲子さん)

      アシスタントの早野潤子さんから皆さんへのメッセージです。


富岡先生、辻井様、 昨晩は本当に本当に、素晴らしい会をありがとうございました。この、感謝は、言葉に尽くせません。

 一晩あけて、今朝サクラファミリアにハープを引き取りがてら、キャロル先生を中津まで見送って、3日ぶりに自宅の自分の部屋に帰ってきて、 ようやく、ほーっと、しています。 富岡先生には、まだ、あとのいろいろなこともおありではないかと、拝察しつつですが、 どうか、くれぐれもお疲れの出ませんように。 辻井さんも、本当にお身体、これからもお大事に。 昨日、バタバタとしていて、富岡先生や辻井さんとキャロル先生一緒の写真も撮るの忘れていましたが、リハーサル前の写真、記念にお送りさせていただきます。
 来場の私の知り合いも、いい会だったと、感想を寄せてくれましたが、 音楽の恵みネットワークの皆様、超教派クリスチャン連盟の皆様、合唱団の皆様、サクラファミリアの皆様にも、本当にお世話になり、ありがとうございました。
 限られた準備時間で工夫を凝らして素敵なオルガンを弾いてくださった多田さん、 豊かな声で皆さんをひとつに包むように歌ってくださった吉岡さん、 見事な仕切りで質疑応答を進めてくださった松本さん、 閉会にあたっては三島さんの祈りが身にしみました。 全てを指揮して導いてくださいました、 富岡先生、 全てを細やかに配慮して繋いでくださいました、 辻井さんに、 本当に感謝しています。 そして、 美佳さまに、見えない部分で、 本当に一番御気遣いをおかけしたことと思います。どうか、くれぐれもよろしくお伝えくださいませ。 (早野潤子)

 

SPECIAL THANKS TO(敬称略) 聖堂提供/カトリック大阪サクラファミリア 後援/超教派クリスチャン連盟 奏楽/多田牧子 写真/植松雅子・長谷川久雄・早野潤子 マネージメント/辻井一郎 協力/賀光誠一・賀光郁子・渡辺ゆいか・藤田美紀