「小さな幸せ」エッセイ集
2011年2月 NHKスペシャル無縁社会〜楽曲「小さな幸せ」との出会い
合唱曲「小さな幸せ」の混声版、女声版、男声版 三部作の出版に寄せて
2011年2月にNHKスペシャル「無縁社会」という番組がございました。未婚、離婚、失業、職場での人間関係の希薄化等・・・。それらが起因となって、社会に居場所がないと苦しむ人たちは、高齢者だけでなく、すさまじい勢いで低年齢化し、日本列島に無縁社会が広がっている・・・、という深刻な警鐘を伴った内容でした。 その番組の中では、かつて和歌山白浜の三段壁に終焉の地を求めた某大手メーカ管理職という男性と、いままさに保護された男性が白浜バプテスト教会の牧師によって保護される様子が写しだされていました。「寝る場所と3度の食事だけは提供しますから、気力が回復するまで、どうぞここでゆっくりなさってください。仮に気力が戻らなければ、ここで一生過ごしてもいいじゃないですか。」と牧師に諭されていました。 何カ月後かはわかりませんが、彼らはアルミのボールを持って白浜の豆腐屋からもらってきたボールいっぱいのおからでクッキーを焼き上げるのです。もう彼らの顔には笑顔が戻っていました。そして教会でのクリスマスパーティーでは彼も加わった聖歌隊によって一つの歌が歌われました。 私はその曲にいたく感動し、次から次とあふれる涙をどうすることも出来ませんでした。番組終了後、すぐにその教会をネットで探し出し、藤藪牧師に「あの作品の出版社をお教えください」とメールを送りました。先生からその「小さな幸せ」と題された作品が未出版であり、白浜バプテスト教会の聖歌隊の指導者「谷本智子さん」のオリジナルの作品です、とのお返事を頂きました。 私は「音楽家として、またクリスチャンとして、この小品が日本中に広まって、人の心に暖かさが戻って欲しいと願っています。この作品を全国の合唱団に歌ってもらえるように編曲をすることをお許しください。」と一度も面識もない作曲家の谷本智子さんに申し出ました。彼女からは「身に余る光栄」と快諾を得ることができました。番組終了からわずか2、3日後でのことでした。 谷本さんから楽譜が届いてから私はまさに導かれるままに4時間程で一気に女声版と混声版と書き上げることが出来ました。 「‘心の居場所’を作りたい――無縁化した人たちが再び、社会とつながるための様々な試みを通じて、無縁社会を乗り越えるための処方箋は何か、解決の道筋を模索していく。」NHKのこの問いかけに対して、「小さな幸せ」というこの歌が、苦しみ悩む人々の「心の居場所」にそっと寄り添うに違いない、との思いで編曲をいたしました。 日本中がこの歌によって、心と心がつながることを願っています。 2011年3月 編曲者 富岡 健 という文章を書き上げたところに、東北に恐ろしい震災が・・・。自然の猛威は人の心までもどん底に追いやってしまいました。「生き延びられたことが、いいのかどうか。」惨状を前にマイクを向けられた方の、力なく茫然自失と語る姿を見るたびに、こちらまで言葉を失ってしまいます。そんな中、私の音楽仲間のお一人が「小さな幸せ80冊を会津若松高校に送って欲しい」との申し出を頂きました。その方の出身校でした。頭が下がりました。大きな被害に苦しむ東北の高校生がこの歌をうたうことによって、心のなかで慰めと勇気が生まれてくれるなら、こんなに嬉しいことはありません。 500円の定価ですが、そのうち100円を「命」「絆」の尊さのために闘い続けていらっしゃるNPO白浜レスキューネットワークの代表・藤藪牧師の御用のために用いていただくことを決意いたしました。 2011年4月 新譜紹介 合唱曲「小さな幸せ」の書評 (株)パナムジカ
[今、人の心と心をつなぐうた・・・「小さな幸せ」合唱版]
「小さな幸せは ほんとは大きな幸せ・・・」 と、なんでもない日常への感謝を歌った「小さな幸せ」という曲が、今静かな話題を呼んでいます。 作詞・作曲をしたのは和歌山県在住の音楽家「谷本智子さん」。もともとは、教え子の結婚のお祝いのために作曲されたまったくプライベートな作品でした。ところがこの曲が、2月に放映されたNHKスペシャル「無縁社会」という番組中で流されるやいなや状況は一変、放送直後からTwitterなどで「あの歌に感動した。」「題名、歌詞を教えて」と、感想や、問い合わせが殺到し、一躍話題の曲になってしまいました。 今回この曲を合唱曲に編曲をした富岡健氏も問い合わせをしたその一人。「この曲を全国の合唱団に歌ってほしい。」という一念から、速攻で作曲者にコンタクトをとり、編曲の了承を得て、そして今回自ら出版までしてしまいました。 そしてその後起こってしまった東日本大震災。私たちは「小さな幸せ」がどれほど「大きな幸せ」だったかを痛感させられました。だからこそ、今この"小さな"うたが、私たちの胸に"大きな"感動を呼ぶのでしょう。多くの人に、優しい気持ちで歌っていただきたいと思います。 2013年12月 藤藪牧師との出会い 白浜バプテスト教会表敬訪問 冨岡 健
この男性もこの看板に心動かされたのでしょう 藤藪牧師が用意した10円玉が入っていました。 この朝、作曲家の谷本智子さんも駆けつけてくださいました。 藤藪牧師と谷本智子さんとともに 私は共同生活者の皆様にお声をかけることはできませんでした。
教会がご用意してくださったお食事と語らいの場を辞するときが来ました。
教会玄関の窓枠にそっとこんな置物が・・・・ 藤藪牧師に尋ねました。お金の次に今一番お困りはなんですか、と。
大阪コンソートのメンバーによる白浜バプテスト教会訪問記合唱団大阪コンソート 合唱曲「小さな幸せ」の聖地へ
「人の人生の悩みに同苦され、導きされる」藤薮先生のお姿には、 今回の白浜バプテスト教会での礼拝の中での証しは感動しました。歌って自然と涙が流れました。 洗礼をうけるかたから、真実の言葉を聞いて感動。 藤薮牧師の生のお話を聞き、今、必要なものがタオル、洗面具、 実際に自殺未遂から保護され、頑張って生きようとされている方々の前では、涙なしに歌うことができませんでした。 竹中 洗礼に向けてご挨拶をされた方のことが心に残っています。 二日間、ありがとうございました。 藤藪先生をずっと見ていたのですが、 堀川 まず今日の企画を計画し、実行していただいた先生に感謝、感謝です。 こころからの感謝をこめて今年は小さな幸せがたくさんたくさんあって、 桑田 この2日間本当に意義のあるツアーに参加出来た事に又自分がどれだけ恵まれた生活をしているかを思い知ったツアーでした。藤藪牧師様のお人柄はお目にかかり牧師様からにじみ出ていました、今日礼拝に来て下さった方々に温かく迎え戴いて感激しました。小さな幸せの歌詞の意味をかみしめながら歌わせて頂きました。証しのお話にも自分と重なる事があり、それに気付かされた事に感謝しています。富岡先生有難う御座いました。 芝谷 合唱のあと 教会の若い男性が「本物の合唱を初めて聴いた。建物の中に音が響いてびっくりした」と話しているのを小耳にした。 白浜の地では合唱を聴く機会も少ないのだろうが、若い人に感動を与えられたんだな〜 と感慨深かった小澤 初めての三段壁と千畳敷。その場に立ったらどんな感じがするんだろう、ドキドキ期待して行きました。歩を進めるごとに、波の音に気づく度に、死のイメージから遠のき、先端に立った時は『今、私は、生きている』という体感で満たされた不思議な感じが、今もみぞおちにぼんやり残っています。 今井 今日、証しを述べられた男性のお話を聞いて、藤藪先生がにこやかに自然にされながら、日々壮絶な闘いをしておられるのが、よく分かりました。 先生と教会員などの方々が、しんどさ、つらさを分かち持って、支えあっておられることに感じ入り、頭が下がりました。 私は日々何も人のために行動していないのに…と反省しつつ、応援させて頂きたいと思いました。 中村 メッセージの「責任を負う人生に…」今更ですが考えさせられました。これから人生に欲を出さず「小さな幸せ」に感謝していこうと思いました。涙のツアーで喜びのツアーでした。有り難う御座いました。 あらためて、音楽の素晴らしい力を実感しました。 藤藪先生との出会いは、富岡先生の 私達へのクリスマスプレゼントでした。 想像していたより、ずっと若い、力強い、真摯な牧師様が、本当に地道な努力を、辛い顔一つ見せず、明るく毎日続けておられる事に感動しました。 今日は初めて礼拝の中で 「証し」を聞かせていただきました。 あんなに赤裸々に、三段壁での出来事を話されたことに、衝撃を受けました。 そして、未来に向けて前向きな姿に感銘を、受けました。 白浜に来れたこと本当に幸運です。 ありがとうございました。 この二日間の旅は私にとってかけがえのない思い出となる旅でした。ステキな先生と仲間との出会い。音楽を通しともに語り合い、笑い、涙し、心を寄り添え合えた幸せに心から感謝します。また、色々な意味で感慨深い事も多く音楽の力を改めて感じました。先生、こんな素晴らしい時をくださり本当にありがとうございました。曽和 感謝感謝です。長年、音楽を糧としつつ、優しく生きることを日課として過ごして来ましたが、特に最近、毎日心から幸せを感じて感謝を積み重ねております。 今回も、音楽がもたらす癒しと、人と人を結びつける力、感動を体感しました。ありがとうございました。 これからも自分が与えられる使命や試練に誠実に向き合いながら、笑顔で生きていきたいと思います。 「小さな幸せ」を初めて歌わせていただいたのが3月のレディースコーラスの時でした。 初心者の私にとっては優しいメロディーと親しみやすいフレーズに安堵しながら歌い始めましたが、練習を重ねるごとに歌詞に込められている意味を噛み砕いて表現することの難しさを思い知らされていました。 でも昨日DVDを見せていただき、そして今日バブテスト教会で歌わせていただき、言葉では言い表せない何かをやっと掴むことができたような気がしました。 もう一度「小さな幸せ」が大好きになりました。大阪コンソート入団一年の記念日にこんなに素晴らしい宝物をいただけたことを心から幸せに思います。本当にありがとうございました! 教会では特に、藤藪牧師のお言葉、 『そのままの自分でいいんだよ』 その言葉に今での自分を肯定してもらえた気がして、胸が熱くなりました。 そんな素晴らしい教会で合唱に参加し、精一杯歌わせて頂けてとても嬉しく思いました。(自身の歌の方はまだまだで、ホントに申し訳ないくらいですが…) こんな素敵なツアーを作りあげて下さった皆様方や先生、そして不思議なご縁に感謝です。ありがとうございました。 白浜イルミネーションの風景です。 前評判が余り良くなかった為か、実物を見たらそれなりに有りかな?と思いました(笑) 星座のイルミネーションも海岸線に飾ってたのですが、順番がとてもバラバラだったのも、面白さの点では良かったです(!?) い 「小さな幸せ」は日本語の歌詞で意味を分かって歌えるので、美しいメロディ、ピアノ伴奏とあいまって、歌う度にウルウルしてしまいます。 今日の白浜パプテスト基督教会は「小さな幸せ」発祥の地、そして実際にいのちの電話で救われた方の洗礼前の証しを聞いたことで、2回目の「小さな幸せ」はこみ上げてくるものがありました。 歌っている最中は必死で涙を堪えてましたが、証しをされた方が涙を流す瞬間を目にしてしまい、歌い終わった後に涙が溢れ出しました。周りを見ると、コンソート女性メンバーはほぼ涙してました。 素晴らしい音楽を聞いて感動の涙を流すことはありましたが、本人が泣くというのは初めての経験で、それは、今まで私が音楽を奏でる側でなかったこともありますが、コンソートに入ったからこそできた体験です。救護された方が、自分が必要とされていることで自信を取り戻したと言われていたのと同じく、私たちの歌で感動したと言っていただけたことが、私にとっても大きな力となりました。この表敬訪問を企画していただいたこと、参加できたことに感謝です。 (写真)教会の入口脇にありました。「一人じゃないよ」「のんびりゆっくり」「自分を信じて」 『小さな幸せ』を何度か歌ってきましたが、 今回初めて前奏がながれると涙が… お話をいろいろお聞きし、教会で歌わせていただいたからか感極まってしまいました。 (その後も次々コメントしていただくたびに泣いておりました) 今まで以上に『小さな幸せ』を心をこめて大切に歌いたいと思いました。 素敵な経験をさせていただき、ありがとうございました。八張 初めて人前で歌うという私たちにとっては大イベントに 胸をドキドキさせて不安一杯でしたが 皆様の助けで無事 終わるけとができ感激しています ありがとうございました。 男性が証しの中で、ご自身が自殺しようとしたことを淡々と話しておられましたが、穏やかで芯の強そうなお顔からは想像出来ない思いや経験があったのだと思うと胸が詰まりました。 小さな幸せを2回目に歌った際、その男性が目を閉じて静かに涙を流されており、歌詞の意味を心から実感しているように見えました。 そのお姿を見て、こちらもこのような機会に携われたことに感謝の気持ちで心がいっぱいになりました。 ありがとうございました。宮本 教会の中の厳かな空気に包まれて小さな幸せを歌い、心がふるえました。繋がりあう、絆の素晴らしさに感動しました。支え合い生きる人生って素晴らしいですね。皆さんに感謝の気持ちで一杯です。有り難うございました。 白浜バプテスト教会の皆さんのおもてなしに感謝いたします。「小さな幸せ」を歌ってとても感動しました。 土曜日の朝,富岡先生に「残念ながら参加できません」とメールを送った. 落ち着かない.妙に胸騒ぎがする.「ここに居てはいけない.行くべき場所に行かなければ」 道中はあまり覚えていない.不思議な力に「引き寄せられるように」移動した. 次の日いよいよ教会へ. ほとんど状況が把握できていない私は,殺伐とした空間を想像していた.教会に到着.扉を開けて中に入る.「なんだここは?妙に明るい.暖かい.」予想外に「ほっこり」していた. 朝の礼拝が進んでいく.背後に何とも言えない空気が漂っている.振り返って演奏に入る.人々の強烈な眼差しが飛び込んでくる.「本当にありがとう」そんな声を感じたのは私だけではないはず. 自然に声が出た.「届けたい」「つながりたい」...とてもプリミティブな感情が私の肉体を支配していた.もはや「演奏している」感覚はなく,ただただ「大きな空気の揺らぎの中にいる」だけ.今思えば,その時その場所にいた人間がみんな輝き,浄化されていったのではないだろうか. 改めて思う.「歌って良いもんだな」いろいろなものをお届けし(できたかな?),またいろいろなものを戴いた. しばしの歓談の後,足早に帰阪.いきなり現実に引き戻される.けど,何か違う. 高橋 ご同行くださった岡本俊夫氏からのご寄稿文です。氏が所属なさっている 関西民放連クラブ(関西のテレビ・ラジオ局のOB組織)の 合唱団機関誌「まかーな]に寄稿されたものを転載させていただきました。 拡大PDFはこちらです。 ご同行くださった神愛教会の山岡先輩からメッセージをいただきました。白浜バプテスト教会の逸見長老から写真をお送りいただきました。白浜バプテスト基督教会の逸見恭仁長老が上記のメッセージとともに写真をお送りくださいました。 メッセージ右横の教会のステンドグラスはご自身の絵筆による水彩画です。感謝です。 |